こんにちは。
税理士の長野です。
今回も、私が相続税申告のお手伝いをしたケースについて、論点整理をしながら、簡潔に、ご紹介させて頂きます。
実際の事例を通じて、皆様の将来的な相続に備える一助になれば幸いです。
※個人情報が漏洩しないよう、家族構成や財産内容は脚色しているので、予めご了承ください。
【家族構成】
被相続人:父(87歳)
相続人:相談者長女(62歳)、長男(60歳)、母(84歳)
被相続人:父(87歳)
相続人:相談者長女(62歳)、長男(60歳)、母(84歳)
【財産構成】
自宅:2,900万円
現預金:1,200万円
上場株式:8,000万円
生命保険:母500万円
財産合計: 12,600万円
自宅:2,900万円
現預金:1,200万円
上場株式:8,000万円
生命保険:母500万円
財産合計: 12,600万円
【相談内容】
父に相続が発生したため、相続税申告のご依頼
父に相続が発生したため、相続税申告のご依頼
【ニーズ】
・銘柄が多数ある上場株式をどうやって平等に分けたらいいか ・上場株式は相続時に売却したほうがいいのか、そのまま保有したらいいのか
・父と子供で使用している証券会社が異なる場合はどうしたらいいか
・銘柄が多数ある上場株式をどうやって平等に分けたらいいか ・上場株式は相続時に売却したほうがいいのか、そのまま保有したらいいのか
・父と子供で使用している証券会社が異なる場合はどうしたらいいか
父は運用が好きで、沢山、株式を保有していたわ。
私はそんなに得意じゃないしどうしたらいいの。
私はそんなに得意じゃないしどうしたらいいの。
【概要】
ご相談者は、長女でした。生前にお父様は運用が好きで、特に上場株式の個別銘柄について証券会社の担当者と毎月打ち合わせするのが生きがいと言ってもいいほど好きなようでした。随分若い頃から少しずつ買い増しして亡くなるときには沢山の銘柄を保有していました。長女は、それほど株が得意ではないようで、自分には手に負えないということもあり弊事務所にご相談頂きました。
【論点1】
上場株式の銘柄が多いときの注意点としては、いつの金額をもとに平等に分けるかということです。なぜなら、株価が動くため、相続が発生した時点での評価額と遺産分割協議をした時点での評価額が異なるからです。
例えば、相続が4月に発生し、その半年後の10月に財産の分け方を協議すると半年分の時間が経過しています。そのため、その間に株価を左右するニュースがあると、銘柄によっては、上がったり下がったりします。
税理士が計算する評価額は、税金を安くするため、相続発生日時点での最も低くなる評価額を計算します。そのため、その最も低くなる評価額で議論すると、遺産分割協議をしているときの株価と乖離がある場合、平等に分けたつもりが、実は平等ではなかったという事態が起こってしまいます。
例えば、下記のような所有株式があると、相続発生日時点(例えば3月)では平等に分けられても、その後、半年経ち、遺産分割協議日時点(例えば9月)では、平等に分けることができません。
例えば、相続が4月に発生し、その半年後の10月に財産の分け方を協議すると半年分の時間が経過しています。そのため、その間に株価を左右するニュースがあると、銘柄によっては、上がったり下がったりします。
税理士が計算する評価額は、税金を安くするため、相続発生日時点での最も低くなる評価額を計算します。そのため、その最も低くなる評価額で議論すると、遺産分割協議をしているときの株価と乖離がある場合、平等に分けたつもりが、実は平等ではなかったという事態が起こってしまいます。
例えば、下記のような所有株式があると、相続発生日時点(例えば3月)では平等に分けられても、その後、半年経ち、遺産分割協議日時点(例えば9月)では、平等に分けることができません。
この点を念頭に置いて財産の分け方を決める必要があります。実際のところは、株価は毎日変動するため、どこかで区切らないと議論が進みません。
【論点2】
相続人間で半分ずつや1/3ずつのように平等に分けたいときも注意が必要です。株価が変動するとしても、半分ずつや1/3ずつのように分ければ平等ではないかと思いますが、有価証券は、金額で分けずに株数や口数で分ける必要があるため、割り切れないケースもあります。例えば、500株で300万円の株式を所有していた場合、2人で分けると150万円ずつ、3人で分けると100万円ずつ平等に分けようと考えるはずです。
しかしながら、上場株式は100株単位のため、500株を2人で分けると300株と200株になります。500株を3人で分けると200株と200株と100株になります。
このように、評価額で分けるのではなく、株数で分けるため、端数が出る場合は、誰が相続するかも家族間で決める必要があります。
例えば、下記のような株数単位で分ける必要があります。
しかしながら、上場株式は100株単位のため、500株を2人で分けると300株と200株になります。500株を3人で分けると200株と200株と100株になります。
このように、評価額で分けるのではなく、株数で分けるため、端数が出る場合は、誰が相続するかも家族間で決める必要があります。
例えば、下記のような株数単位で分ける必要があります。
ちなみに、株数で分ける場合、銘柄によっては、株数によって株主優待の内容が変わります。例えば、100~200株は同じ内容でも、300株になると内容がグレードアップする銘柄もあります。年に1回貰える株主優待が楽しみという方は意外に多いのではないでしょうか。
一番お得に株主優待を貰うには、どのように株数を割り振ればいいかも忘れずに検討しましょう。
【長野拓矢税理士事務所の対応方法】
有価証券を分ける方法としては、大まかに3パターンあります。
① 投資に明るい相続人が有価証券を全て相続し、他の相続人には、別の財産か代償金を渡す
② この銘柄は長女、この銘柄は長男のように、銘柄ごとに分ける
③ 全ての株式を相続人の人数や法定相続分で等分する
これらは、相続人の意向次第で決めて問題ありません。弊所では、いずれのパターンでも対応したことがありますので、どれが良いか悪いかというものではありません。
ただ、子供が複数人いて平等に分けたいというお考えの家族には、パターン③をご案内しています。
ただし、お客様のニーズを聞いたからといって最初からパターン③のみを提示するわけではなく、弊所では、複数のパターンを案内しながら、どういう点でメリットデメリットがあるか、お客様と話し合いながら進めていくことに気を付けています。 お客様の立場に立っても、これですと専門家に言われるよりも、複数案を提示してもらって、その中からご自身で選択したほうが満足度は高いはずです。
今回は相続人皆様と話し合いを重ねて、有価証券は子供たち2人で等分して相続し、端数は長女が相続することとなりました。
① 投資に明るい相続人が有価証券を全て相続し、他の相続人には、別の財産か代償金を渡す
② この銘柄は長女、この銘柄は長男のように、銘柄ごとに分ける
③ 全ての株式を相続人の人数や法定相続分で等分する
これらは、相続人の意向次第で決めて問題ありません。弊所では、いずれのパターンでも対応したことがありますので、どれが良いか悪いかというものではありません。
ただ、子供が複数人いて平等に分けたいというお考えの家族には、パターン③をご案内しています。
ただし、お客様のニーズを聞いたからといって最初からパターン③のみを提示するわけではなく、弊所では、複数のパターンを案内しながら、どういう点でメリットデメリットがあるか、お客様と話し合いながら進めていくことに気を付けています。 お客様の立場に立っても、これですと専門家に言われるよりも、複数案を提示してもらって、その中からご自身で選択したほうが満足度は高いはずです。
今回は相続人皆様と話し合いを重ねて、有価証券は子供たち2人で等分して相続し、端数は長女が相続することとなりました。
【ここがポイント!】
最後の注意点として、有価証券を相続する口座についてです。
誰が何の銘柄を何株相続するか決まればやっと相続人が相続できますが、その相続のタイミングでも注意点があります。それは、相続人が好きな口座で上場株式を相続することはできないことです。
例えば、父が生前にA証券会社で有価証券を保有していた場合は、子供が口座を持っているB証券会社でそのまま相続できません。
税理士は正しい税金計算をするために尽力しますが、自分の専門分野ではない相続手続きまで気が回らない方も多くいます。しかし、相続人にとっては、税金だけでなく、財産を相続するための手続きをしないと、当然ですが、相続できません。
そのため、税理士が司法書士と連携して対応していれば問題ないかと思いますが、税理士には申告を依頼して相続手続きは自分たちでやろうとする場合、
「自分の証券口座で相続できるのではないか」
と相続人が誤解していることも多く、申告が完了するタイミングで税理士に
「亡くなった方と同じ証券会社の口座でないと相続できませんよ」
と言われると、そこからさらに数ヶ月、有価証券を相続するのに時間を要することとなりますので、注意しましょう。
弊所では、お客様の立場に立って物事を考えるように努めています。つまり、お客様が税理士に相続税の相談をするということは、正しい税金計算は当然のこと、周辺業務の相続手続きまでフォローし、この度の相続を全て無事に完了してほしいというのが真のニーズであると考えています。
今回のケースでは、最初の段階で有価証券を売却せずにそのまま相続するという意思を確認したため、分け方を決める前にまずは口座開設をするよう案内しました。
そのため、申告が完了する段階では、相続人も新しく作った口座で有価証券を相続できる目途が立っており、お盆までに全て無事に完了すると喜んでいました。その後、
「心穏やかに落ち着いて新盆を行うことができました」
と丁寧にお手紙を頂きました。
今回は、
「父が沢山の株式を持っていたことに最初は驚きましたが、今では私たちのために沢山残せるよう運用を頑張ってくれたんだなと感謝の気持ちでいっぱいです」
と、仰っていました。家族の仲が良いからか打合せもスムーズに進み、滞りなく相続手続きが全て完了し私も安心しました。
誰が何の銘柄を何株相続するか決まればやっと相続人が相続できますが、その相続のタイミングでも注意点があります。それは、相続人が好きな口座で上場株式を相続することはできないことです。
例えば、父が生前にA証券会社で有価証券を保有していた場合は、子供が口座を持っているB証券会社でそのまま相続できません。
税理士は正しい税金計算をするために尽力しますが、自分の専門分野ではない相続手続きまで気が回らない方も多くいます。しかし、相続人にとっては、税金だけでなく、財産を相続するための手続きをしないと、当然ですが、相続できません。
そのため、税理士が司法書士と連携して対応していれば問題ないかと思いますが、税理士には申告を依頼して相続手続きは自分たちでやろうとする場合、
「自分の証券口座で相続できるのではないか」
と相続人が誤解していることも多く、申告が完了するタイミングで税理士に
「亡くなった方と同じ証券会社の口座でないと相続できませんよ」
と言われると、そこからさらに数ヶ月、有価証券を相続するのに時間を要することとなりますので、注意しましょう。
弊所では、お客様の立場に立って物事を考えるように努めています。つまり、お客様が税理士に相続税の相談をするということは、正しい税金計算は当然のこと、周辺業務の相続手続きまでフォローし、この度の相続を全て無事に完了してほしいというのが真のニーズであると考えています。
今回のケースでは、最初の段階で有価証券を売却せずにそのまま相続するという意思を確認したため、分け方を決める前にまずは口座開設をするよう案内しました。
そのため、申告が完了する段階では、相続人も新しく作った口座で有価証券を相続できる目途が立っており、お盆までに全て無事に完了すると喜んでいました。その後、
「心穏やかに落ち着いて新盆を行うことができました」
と丁寧にお手紙を頂きました。
今回は、
「父が沢山の株式を持っていたことに最初は驚きましたが、今では私たちのために沢山残せるよう運用を頑張ってくれたんだなと感謝の気持ちでいっぱいです」
と、仰っていました。家族の仲が良いからか打合せもスムーズに進み、滞りなく相続手続きが全て完了し私も安心しました。
【まとめ】
様々な銘柄の上場株式を所有している場合
① 相続発生時点と遺産分割時点では時間が経過しているため、その間で株価が上下している銘柄には注意
② 株数を割り切れないときは端数を誰が相続するか決める
③ 子供がそのまま保有し続けたい場合、親が管理していた口座の証券会社で口座を開く必要がある
② 株数を割り切れないときは端数を誰が相続するか決める
③ 子供がそのまま保有し続けたい場合、親が管理していた口座の証券会社で口座を開く必要がある
さいたま市・大宮で「相続」に悩んだら、まずは、長野拓矢税理士事務所(048-779-8512)までお気軽にご相談ください。分かりやすく親切丁寧にご対応させて頂きます。
【著者プロフィール】長野拓矢(ながのたくや)|長野拓矢税理士事務所 所長
税理士として10年以上のキャリアを有する資産税の専門家。
「家族がもっと幸せになるために相続という場面では何をしたらいいか」そんなお客様の想いに寄り添った対応を心掛けると共に、最新の税制のキャッチャアップを常に行い専門家として何ができるのかを常に考え続けている。
相続だけでなく事業承継にも精通しており、地域経済を担う中小企業の経営者向けに自社株式の承継コンサルを多数行ってきた実績が評価され、埼玉県事業承継・引継ぎ支援センター(公的機関)の専門家としても長年従事している。
長野拓矢税理士事務所 事務所案内|著者紹介ページはこちら





















